水周りの防音対策
水周りは、以外と防音対策の盲点になりやすい箇所です。配水管は金属ですから、音を通しやすいので、夜中のトイレの水音が家中に響く、なんてことも有り得ます。
最近は、2階建ての家でも、1階と2階にそれぞれトイレがある間取りはごく普通です。特に問題になるのが、2階のトイレの音。2階リビングの家は、キッチン周りの音も問題になることが多いようです。2階建ての家で、2階にも水周りがある家は必ず2階から1階に、縦方向の配水管が通ります。この配水管を通る水の音は、日中はさほど気にはならないものの、周囲が静かになった夜中などにはかなり大きな音になります。水周りの防音に気を使わない家ですと、特に2階で水を使う音は、1階で眠る人にとっては目が覚めてしまうほどでしょう。
水が流れることで発生する音は、空気を伝わってではなく、物体、つまり配水管そのものを伝わってきます。ですから、配水管の振動を抑えることが効果的な防音対策になります。配水管そのものを、遮音、吸音性のある素材で包んでしまうというのが、最も効果的で手っ取り早いでしょう。最近は配水管そのものに吸音性がある製品もありますので、あわせて使えばかなり効果的です。ただ、これは施工時でなければ難しい工事で、リフォームで行おうとするとかなり大掛かりな物になります。これから一戸建てを建てる、という人でなければなかなかできない方法ですね。リフォームで、今聞こえてくる水周りの音を減らしたいのであれば、配水管に面した壁に対して、防音対策を取るのが現実的です。防音シートを貼り付けたり、遮音壁を新たに貼り付けたりするなどの対策が考えられます。また、タンク付きのトイレであれば、タンクレスのトイレに変更すると音が小さくなることが多くなります。タンク式のトイレは、サイフォン式か、それに順ずる仕組みで、吸引作用で水を排水します。それに比べて、水道直結式のタンクレストイレはもちろん水を貯めて一気に流すわけではありませんので、サイフォン式トイレに比べて静かになります。もちろんメーカーや型式によっても差がありますが、最近のものは一昔前のタンクレストイレに比べてとても静かです。1階のトイレはお客様が使うことも多いので、見栄えの良いタンクレストイレにして、家族が使うことがほとんどになる2階のトイレは安価なサイフォン式トイレにするケースも多いのですが、防音を考える場合には逆にしたほうが良いようです。