防音対策の前に知っておくこと
騒音トラブルが増え、昔に比べて皆さん防音意識が高くなってきています。そしてそのための防音対策、防音グッズも増えてきましたね。ですが闇雲に防音対策をしてもお金がかかりますし、的外れになってしまうこともあります。しっかりとした防音のために、まずは音の伝わり方や、防音の基本を知っておきましょう。
その前に、予備知識として音の大きさについて紹介します。音は、可聴域があり、人間では周波数が20Hz~20,000Hz程度までの音を、認識できると言われています。周波数が低い音は低音で、高い音は高音です。この可聴域に対処することが、基本的な防音です。ただし音として聞こえない音、例えば20Hz以下の低い音も、振動が起こって窓や建物などを揺らしたりすることがあり、常に可聴域外の音にさらされる場合には対策が必要です。
音の大きさはデシベル(dB)という無次元の単位です。私達が日常生活で感じている音の大きさは、ジェット機音や新幹線の音などが100デシベル以上で、ピアノの音が大体100デシベル程度。電車やバスなど、乗り物の中にいて聞こえる音が90デシベルくらい。そして掃除機の音くらいになると70dB程度で、60デシベル以下になると、ようやく多くの人がようやく煩いとは感じないくらいで、人の話し声程度の音になります。40デシベルくらいではかなり静かで、しゃべっている人が誰もいない図書館レベル、20デシベルですと自分の呼吸音くらいですね。このデシベルは、数字が大きいほどうるさいというのは分かりますよね。ではどのくらい大きさに差があるのかというと、ちょっと難しくなります。まず、0デシベルというのは人間がぎりぎり聞くことができるかできないか、というくらいの音。これを1とすると、10デシベルだと0デシベルの3倍の大きさで、20デシベルで10倍の大きさの音になります。そして40デシベルになると、今度は100倍で、60デシベルになると1000倍、80デシベルだと1万倍もの大きさになります。20デシベルで、一桁大きさが増えていく、つまり10倍の大きさになっていくということになります。数字の上では、40デシベルと80デシベルは2倍の差ですが、音の大きさでは100倍の開きがあることになります。
また、音にはそれぞれ周波数があります。防音対策には、高い音に対処するのか、低い音に対処するのか、はっきりさせるほうが効果的に行えます