防音研究

防音性能の基本

 どのくらい、音を防ぐことができるのか、つまり外から聞こえてくる音をどのくらい防げるか、また逆に室内で発生した音をどのくらい外に漏れにくくするかという性能は、遮音性能JIS規格では遮音性能等級で表されます。遮音性能は、数字が小さいほど性能が高く、遮音性が高いことを意味します。

 床の遮音性能はL値で表され、重量衝撃音(LH)と軽量衝撃音(LL)の2つの性能があります。重量衝撃音というのは、重たいもの、子供が走り回ったりするときの足音などのことで、軽量衝撃音は軽いもの、スプ落としたときの音や、スリッパなどのパタパタ音などです。重量衝撃音は、LH-50で等級5。足音は小さく聞こえる程度です。等級が高いほど、遮音性能が高く、足音がかなり大きく聞こえる等級2は、LH65になります。軽量衝撃音は、LL-45で等級5、これくらいで、スプーンを落とすような高音はまだ聞こえますが、スリッパのパタパタ音や椅子を引きずるような音はほとんど聞こえません。最近の分譲マンションなどは、この等級5以上の性能を持つものがほとんどです。

 また、室内は完全な密室ということはもちろん有り得ませんから、開口部となる窓が、どのくらい音を防げるのかも大事ですよね。通常の室内で空気の通り道となる窓は、やはり最も音を通しやすい箇所ですから、一戸建てだろうとマンションだろうと、どんな建物であっても重要な防音箇所になります。窓サッシは、T値で表され、T-1からT-4までの4つの等級が定められています。こちらも床同様、等級が高いほど遮音性が優れているということになります。通常のアルミサッシはほとんど遮音性能がなく等級外、樹脂サッシなどでようやくT-1、鍵の部分にできる隙間が少ないように設計されているちょっと特殊なサッシでT-2~T-3くらいです。T-4の性能となると、二重サッシでようやく実現するレベル。後付の内窓でも、性能の良いものを選べば、同じくらいの遮音性能を実現できます。

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