防音研究

音の伝わり方

 防音を理解するために、最初に知っておいて欲しいのが、まずは音の伝わり方。音って結局、何でしょう。物理学で言えば、音は音波です。そして音波は、何らかの媒介を通して伝わり、人の耳に聞こえる音域であれば私達はそれを、音として認識することができるのです。音波を音として認識するためには、音波が鼓膜を振動させ、耳小骨に音を伝え、神経活動情報に変換し、脳が認識することが必要になるのです。

 例えば真空では、音が聞こえないという話を効いたことはないでしょうか。音を伝える媒介となる空気がない場合、真空が分子流領域の場合はもちとん音はそもそも発生しないのです。(ただし、粘性流領域であれば音は発生します)

 媒介となるのは、真空では音が聞こえないことからも分かるように、一つ目は空気です。ですがプールなどで泳いでいるときにも音は聞こえますよね。もちろん液体も音を伝える媒介になります。それから、固体ももちろん音を伝えます。そして、媒介によって音の伝わり方やスピードは異なります。洗濯機を考えると分かりやすいかも知れませんね。洗濯機をまわしているとき、自分が近くにいる時だけでなく、離れた部屋にいても音が聞こえるときも多いはずです。むしろ近くで聞く、洗濯機が回る音よりも、離れた場所で聞く音の方が大きいこともあります。これは、洗濯機のすぐそばにいて聞こえる音は空気を伝わって聞こえる音、離れた場所で聞こえる音は物質を伝わって聞こえる音だからです。大声で叫んでも100メートル先で話している声は聞き取りにくいですよね。金属などを通して伝わる音は遠くまで聞こえますし、音が伝わる速度も早くなります。また、固体ほどではありませんが液体も音が届く距離が長く速度も早くなります。プールで泳いでいる時のことを思い出してみて下さい。水中では空気中で聞こえる音よりも賑やかに感じたり、遠くの音もはっきり聞こえたりすることがあるはずです。音波と熱エネルギーは、意外と知らない人も多いのですがけっこう簡単に相互変換できます。壁にぶつかって遮られた音は、熱量に変換されて音波、音の大きさは減ります。部屋の中を閉じた系とすれば、エネルギー保存の法則が成り立っているのです。音が伝わる速度、皆さんご存知でしょうか。音の速さなのだから音速です。音速は、実は一定の速度ではありません。湿度や温度などの条件で変わってくるのです。通常、気温15℃、1気圧の空気中での音速は約340km/s、時速では1,224km。気温が0度になると秒速331キロメートル。音が伝わるには、何らかの媒介が必ず必要であり、条件によって音の伝わる早さは違ってくるのです。

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